成長に必要な光の量を知る
花芽をつけるためには光が必要ですとお伝えしてきましたが、それを数値で見るアプリを発見しました。 今まで必要な光はどれくらい??ということについて、なるべくたくさん光に当ててくださいという話をしてきましたが、抽象的な表現でわかりにくかったと思います。
これからは、このアプリで観察いただくことで、光が足りているのかどうかを数値で見ていただくことができます。
「Photone」というアプリです。なんと無料で利用できます!!
App Store:
Google Play:
Photone - Grow Light Meter - Google Play のアプリ
アプリの簡単な使い方:
1:アプリを開くとこのような画面になります。
2:左にスワイプするとDHL、lux、CCTが測ることができます。
3:下の丸ボタンを押すと光の種類を選べます
4:PPFDに設定し、光に向けると値が出てきます。
光の距離、ちょっとした角度で値が変わりますので、動かしながらおおよその値を確認します。
5:左にスワイプし、DHLを計ります。
光が当たる時間に併せて上の時間を設定してください。
用語解説:
PPFD:光合成光量子束密度 (上記写真1と4)
光合成に有効とされる光の波長「PAR」(光合成有効放射)400~700nmの実際の到達値。単位は「μmol/m²/s」 *最近では400~750nlとも言われていますが、今回の機器は400~700nmのようです。
DLI:光積分 (上記写真2と5)
植物が 時間あたりに受け取る PAR の総量 (mol/m²/h)×時間で表示。 ご使用の際は日照時間、またはライトの照射時間に合わせてください。
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ライトの種類について
測定画面の下の丸部分(電球のイラスト)を押すと、ライトの種類を選ぶことができます。 無料でご使用の場合は「CFL Red」で良いです。 有料となる「Sun Direct」(日光)、「LED Full spec」(植物用ライトのようなLED)よりも少し低く出ますが、目安として利用可能です。
使用方法:
PPFD:
植物の中央部あたりに光源に向けてかざします。
PPFD値の目安は100にしたいです。 (できれば150~200あると尚良いです。)
PPFD値が高いと相対的に光から出る熱で植物が表面温度が上がります。 特に冬季は、少し強めに当たるくらいの環境がおすすめです。(150以上)
DHL:
同様に植物の中央部あたりに光源に向けてかざします。
DLI値の目安は最低でも1.00以上を目指します。 (できれば3.00以上あるとよく育ちます。)
PPFD値が高いと時間が短くてもDLI値が高くなります。
太陽光の場合はこのような感じで日光に向けます。
光源:
太陽光だけでなく、最近は植物ライトにも選べるものがたくさん。 太陽の光が少ない場合には補光として、また植物ライトだけでも育てることができることがわかってきました。
- 太陽 自然界そのものの最高の光源。 全ての植物ランプのモデルです。 外では温度の低下のため、光があっても日本では基本的に冬場はばらは休眠します。
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電球型
種類も多く、小さいものからスポットライトのようなものまでたくさんの種類があります。 基本的に光源に近づくほどPPFDがかなり高くなり、光源付近は温度も高くなるため、葉焼けに注意が必要です。
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チューブ型
蛍光管のようにまっすぐ棒状になっているタイプ。光の拡散性が高いため、かなり近づけて使用するのがおすすめ。 マグネットで貼り付けることができるものもあり、使い勝手が良い。
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パネル型
こちらもプロ向けのものまで幅広い種類があります。パネルにLEDの粒が広がって設置されているため、光源に近づいてもそれほどPPFD値が上がりません。広くまんべんなく当てやすいので、複数の苗に当てたい場合に有効です。
外でも太陽の光が強すぎると葉焼けを起こしますが、植物ライトでも光源に近づけすぎると葉焼けを起こすことがあります。PPFD値800を超えるような強さになる場合はお気をつけください。
<光の色> 波長のはなし
日の光も朝から日中、夕方と色が変わるのは、地上に届く光の波長が関係していることは知られています。
右の表のように、PARは400~700nmですが、紫外線から遠赤色光まで含めて、植物の成長に何らかの影響があると言われています。
太陽光当然、全ての波長域を持っていますが、季節、地域、気候などにより強さが異なるため、世界中に多様な植物があり、多様な植生を持っています。
他方、植物ライトは、太陽光を目指し、植物の育成に特化した波長域をしっかりとカバーできるように開発されています。 大まかに分けると、朝から日中の光に近い青白いものと、昼から夕方の色味に近い黄色味の強いものがあります。
どちらの光でも基本的に花芽もつき、成長します。お好みのものを選択していただければと思います。
また植物ライトには紫外線、赤外線を含むものもあります。
紫外線を含むものは花色を濃くすること、また植物自体がしっかりしやすくなるので、おへやで育てるばらの栽培には紫外線、赤外線を含むものがおすすめです。
各波長域が植物に及ぼす影響:
波長域 (nm) | 光の色 | 植物全般への影響 |
---|---|---|
280-315 | 紫外線B (UV-B) | 光形態形成に影響を与え、徒長抑制やアントシアニン合成を促進。 |
315-400 | 紫外線A (UV-A) | 茎の徒長抑制や花芽形成の促進、アントシアニンの合成を促進。 |
400-500 | 青色光 | 光合成に寄与し、茎の伸長抑制や葉の展開を促進。 |
500-600 | 緑色~黄色光 | 光合成や形態形成効率が低下する領域。 |
600-700 | 赤色光 | 光合成を促進し、花芽形成や発芽に関与。 |
700-800 | 遠赤色光 | 発芽や伸長成長に関与し、フィトクロームを介して形態形成を調節。 |
植物ライトは太陽光に近づけるべく開発されているので、演色性の高いものが多いです。
撮影用ライトとしても活躍します!
外での栽培、温室栽培、そしておへやで育てるばらを通じて、光について今まで分かったことをまとめてみました。
Photoneを使うことで、今まで見えなかった植物が感じている光の世界を垣間見ることができますので、ぜひ皆さんも使ってみてください。
そしてまた情報をシェアし、より深い植物の考察をできると良いなと思います。
こちらの記事は随時アップデートしていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします!!
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